いのち巡る「環境」

川上 毅

モデレーター

環境省

平成元年環境庁入庁。環境省総合環境政策局総務課企画官:併任同局環境経済政策調査室長:併任同局企画調査室長。環境白書の執筆、循環型社会形成推進基本法の制定などに関わる。地方自治体(滋賀県)、国際機関(OECD)への出向経験により現場感覚と国際感覚が養われた(と本人は思っている)。なお、担当した平成22年版環境白書では、人類の発展を正しく計り、今後の進むべき方向を適切に示すことのできる新たなモノサシの必要性を論述したが、今回のローカル・サミット、G11セッションと期せずして方向が一致した。

環境白書マンガ版の制作や循環型社会の形成を訴える市民参加型ミュージカルの企画・立案・一部振り付けを行うなど、前例踏襲に安住せず自ら前例を創り出すことを指向する高リスク系事務官。放課後は、第1回ローカル・サミットでのご縁を大事にするべく、野中会長はじめそうそうたる面々が集う「アナホ・クラブ」の雑務を、ときどき担当する。

田中 克

パネリスト

(財)国際高等研究所フェロー

1943年滋賀県大津市生まれ。1971年京都大学農博士課程修了。その後、西海区水産研究所(長崎市)研究員、京大農学研究科教授、同フィールド科学教育研究センター長、マレーシアサバ大学持続農学部客員教授などを経て、2010年より(財)国際高等研究所フェローに就任。NPO法人ものづくり生命文明機構理事。NPO法人森は海の恋人副代表。

40数年間にわたり海の魚の子供の生態や生理に関する研究に携わる。その中で、水際が稚魚の成育場所として不可欠であることを解明。同時にその水際は川を通じて森からの様々な恵みによって維持されてきたことに思いが至る。稚魚の幸せのために「森里海連環学」を2003年に提唱する。日本の沿岸環境/漁業の「試金石」有明海の再生に関する研究と住民運動の融合より、その再生に取り組んでいる。

畠山 重篤

パネリスト

「牡蠣の森を慕う会」代表

1943年中国上海生まれ。高校卒業後、牡蠣、帆立の養殖に従事する。家業のかたわら「森は海の恋人」を合言葉に、気仙沼湾に注ぐ大川上流の室根山への植樹運動を続ける。

「牡蠣の森を慕う会」代表、京都大学フィールド科学教育研究センター社会連携教授、『日本<汽水>紀行』(文藝春秋/日本エッセイスト・クラブ賞)、『漁師さんの森づくり』(講談社/産経児童出版文化賞JR賞・小学館児童出版文化賞)、『森は海の恋人』『リアスの海辺から』(共に文春文庫)など

篠上 雄彦

パネリスト

新日本製鐵株式会社 環境部環境リレーションズグループマネジャー

1980年新日本製鐵㈱入社。環境リレーションズの企画・推進、「環境・社会報告書」の編集長、技術移転によるCDMプロジェクトの推進等を担当。環境法政策学会会員、NPO法人ものづくり生命文明機構常任幹事・ものづくり生命文明協議会事務局長。

国際日本文化研究センター共同研究員として、安田喜憲教授の御指導のもとで、欧米流の市場原理主義や限られた資源を奪い合う覇権主義を克服し、いのち紡ぎ合う無事で安心な社会のあり方を日本の伝統的な思想と文化、技術・産業・文明の考察を通じて研究中。 人間を含む多様な生物が自然の中で豊かに結びあうことのできる「自ずから然り」の生き方をどのようにしたら実現できるか、仲間とともに考え行動し、世界に発信していきたい。

大熊 孝

パネリスト

新潟大名誉教授

1942年台北生れ。引揚げ後、高松、千葉の自然の中で飢えを凌ぎ、「国敗れて山河あり」を身を持って体験す。その後、新潟大学に勤め新潟に住むが、祖父の代からの流浪の民を続けている。専門は河川工学・土木史、「国栄えて山河なし」の状況に川の自然環境復元を中心に、治水・利水のあり方を地域住民の立場を尊重しながら考察してきた。今後、人口減少の中で、自然との共生の再構築を模索している。

NPO法人・新潟水辺の会代表/新潟大学名誉教授。東京大学大学院博士課程修了。工学博士。74年新潟大学工学部助手に着任、講師、助教授、教授を経て、08年3月定年退職、同4月新潟大学名誉教授。同10月新潟日報文化賞を受賞
著書:「洪水と治水の河川史」(平凡社、1988初版、2007文庫本化)、「技術にも自治がある-治水技術の伝統と近代-」(農文協、2004)など。

鶴見 恵子

コメンテーター

えひめ千年の森をつくる会 事務局長

1951年栃木県宇都宮市生まれ。1974年宇都宮大学教育学部卒、その後栃木県と千葉県の知的障害養護学校に26年勤務した後、2001年4月から森林ボランティアグループえひめ千年の森をつくる会事務局長。愛媛県森林審議会委員、同環境審議会委員などを務める。

これまでの教育実践を生かしながら、棚田や森で、子どもたちの自然体験教室、千年の森の活動を主催し、企画・運営に携わる。その他に、CO2削減のための木質バイオマス利用促進イベントや県産材の家づくりを進めるためのイベントを主催、現在はマクロビオティックの理念も取り入れて、未来循環型生活を提案している。地域の中山間地活性化にも取り組んでいる。

石戸谷 博範

パネリスト

神奈川県水産

1954年神奈川県藤沢市生まれ。県立湘南高校から1979年東京水産大学大学院修了、その後神奈川県農政部水産課等勤務を経て、1990年から相模湾試験場。現在、専門研究員。2000年東京大学農学博士(論文:相模湾における急潮と定置網の防災に関する研究)、2009年水産海洋学会より「相模湾における急潮と定置網の防災対策研究」で宇田賞受賞。

豊かな自然に恵まれた湘南の海「相模湾」では、江戸時代から定置網漁業が盛んで、現在も日本有数の漁場です。定置網は魚を獲り尽くさない、やさしい漁法で、だからこそ、江戸時代から現在まで、途絶えることなく営まれて来ました。しかし、日頃おとなしい海も、台風等の時には、荒れ狂い、定置網(総工費5億円)を破壊することがあります。そこで、海の流れや波、定置網に作用する力を研究して、被害が少なくなるようにしました。壊れなくなった定置網により、魚が安定的に獲れ、漁師さんの生活や皆さんの食料への心配も無くなってきました。これからも湘南の海を美しく豊かにするためには、森、川、海の良いつながりを育てて行くことが大切だと思います。

鈴木 義二

パネリスト

天山湯治郷 代表

生年月日1955年3月18日。天山湯治郷 代表
箱根に生まれ、源泉で産湯に浸かり、箱根の山川を遊び場に育ちました。温泉が大好きで(それでも、訪れた温泉地は200ヶ所くらい・・・)好きが高じて温泉施設を営ませて頂いて30年。ひたすら、気持ちの良い温泉浴の提案をし続けて来ました。温泉浴の醍醐味は、源泉浴。 湧きたて、引湯(ひき)たて、満たしたて。この [三たて]に尽きると思います。

紹介動画

『第3回ローカルサミットin小田原』