フィールドスタディ

第2日目 2010年10月23日(土) 域内各所

朝から6つのテーマ別のコースに分かれ、バスあるいは徒歩で域内各所、各団体の活動の現場を廻り、観たり、聴いたり、体験しながら、それぞれにこの地域の今を、そしてこの地域の宝物を肌で感じていただきました。

<海コース>参加者32名 ボランティア添乗員:副田 勝弘

早朝から小田原魚市場に集合。まずはセリを見学。おしくらまんじゅうのような真剣勝負のセリに一同びっくりでした。その後、市場の食堂で小田原の地の魚を使ったお刺身定食を参加者の方々と一緒に戴きました。そして漁船に分乗して海へ。海から見た小田原は、東側は砂浜が続き、西側は山が海まで迫る急峻な地形です。緑が多く自然が残されている感じがしました。漁場に着くと一緒に行った船が定置網を曳き始めました。岸から近い場所に大きな定置網がある事に驚き、感激しました。 船から降りた後、相模湾水産試験所に行き、ビデオや鰤の漁獲量の説明から環境変化で資源も大分変化していると感じました。また米神定置網の1/100の実験水槽を見学し、相模湾か黒潮の影響を大きく受けている為、海流により定置網が流されたり、壊れないように工夫がされている事など学ぶことができました。

<農林コース>参加者25名 ボランティア添乗員:宮嶋 久徳

最初の目的地「はじめ塾」和田さんからは、子供達との取組みについて説明を伺いました。実際に農作業している子供達も「農作業は楽しいです!」と、穫れた野菜を見せてくれたり、作業の説明をしてくれました。次に、南足柄の「こぶた畑」オーナーの相原ご夫婦より「家畜は人が食べれないもの(草や残飯)を、人間が食べれるお肉や卵にしてくれる。」ことや、「昔は各家庭に家畜がいて、家庭から出た廃棄物を畑の肥料となり、取れた野菜の残渣が家畜の餌になり、その肉や卵を人が食べる。という循環のサイクルが各家庭にあった。」などのお話しを伺いました。3番目の見学場所「あしがら農の会」笹村さんからは、農の会の運営などについて説明聞きました。10数人のグループで共同作業で稲作を行い、収穫したお米をみんなで均等に分けます。ちょうど稲刈りをしている若いご夫婦が作業していました。二見リサイクルセンターでは、地域の食品残渣を利用する肥料工場へ案内していただきました。堆肥の品質も原料となる廃棄物に影響されるため、腐った廃棄物は使用しないとのこと。特徴は米ぬかを混合していることで、出来た堆肥は人が食べれるとのことで、堆肥を一つまみ食べてみました。かなり急ぎ足でしたが、食の循環への取り組みを学べたコースでした。

<水とエネルギーコース>参加者14名 ボランティア添乗員:堀本 高彦

温泉地学研究所・三枚橋水力発電所・高田浄水場・飯泉取水堰を巡り、小田原・箱根の温泉や地質、早川・酒匂川の水資源の現状と課題について、各施設のご担当者より、説明を伺いました。取水堰から見る酒匂川の濁流に圧倒されると共に、普段、立ち入る事の出来ない施設を数多く見学する事が出来、大変有意義な時間を過ごせました。また、参加された方達の意欲も非常に高く、質疑応答の時間が足りなくなる程、白熱しておりました。

<二宮尊徳コース>参加社20名 ボランティア添乗員:三坂 慎二

前半は報徳二宮神社・報徳博物館にて二宮尊徳の歴史や教えについてのお話をお聞きしました。 尊徳の考えを皆様、真剣に聞き入っていました。 後半は尊徳記念館にて、実際に尊徳が生まれた家や尊徳が使っていたものなどを鑑賞しました。皆様、尊徳に関わるさまざまな展示物に触れることにより、尊徳をより知ることが出来たと思います。

<手仕事コース>参加者18名 ボランティア添乗員:瀬戸 慶実・葛西

職人でもある「柏木鋳物美術研究所」の柏木照之さんに小田原鋳物についてお話を聞き、工場見学、店舗見学を行いました。次に、小田原アリーナで開催されていた「木製品フェア2010」に行き、小田原漆器の研ぎ出し体験、フェアの見学を行いました。同じく職人でもある「石川漆器」の石川満さんに小田原漆器の研ぎ出し体験を教わりました。研ぎだす作業は、とても難しく、力のいる作業でした。熱中しすぎて、ビニール手袋が破れているのも気づかないぐらい夢中でした。どの体験でも小田原の伝統や歴史が感じられ、この伝統こそが小田原の文化であり、より多くの人に文化の生きる町・小田原を知っていただきたいと心から思う、新たな発見がたくさんできた一日でした。

<まち歩きコース-小田原の城>参加者8名 ボランティア添乗員:植木 暢彦

小田原城研究の第一人者である田代道彌さんに小田原城周辺を案内していただきました。まずは今の小田原城周辺をめぐり、城の構成や歴史についての話。実際に石垣や城を見ながらの話なので、昔の人の行動や考え方がイメージでき、ついつい話に聞き入ってしまいました。後半は場所を移動して中世城郭の跡を散策。城や建造物は現存していませんが、堀の名残などから当時の歴史が連想でき、新たな発見があった半日でした。

<まち歩きコース-小田原の歴史とゆかりの人々>参加者15名 ボランティア添乗員:菅原 研一

「NPO法人まちづくり応援団」の平井太郎さんの案内で箱根板橋駅~清閑亭(黒田長政の別荘・機国の登録有形文化財)までを歩きながらゆかりの人々との関係などについての説明を受けました。途中、近代小田原三茶人のひとり松永安佐エ門ゆかりの松永記念館の庭園や茶室を鑑賞したり、天神山から見る小田原の海・山に癒されながらあっという間に清閑亭に到着。清閑亭では参加者一同お茶とお菓子を堪能し、最後に主の間で記念撮影とあっという間の一日でした。最初は質問も少なく、緊張した面持ちでしたが、気が付いてみれば質問も時間が経つごとに増え、清閑亭では互いに会話を楽しむなど少人数ならではのアットホームな雰囲気のコースになりました。