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2008年から、場所文化フォーラム(任意団体)は、NPO法人ものづくり生命文明機構や各地の諸団体等と連携しつつ、全国の幅広い志民との連帯の中で、地域活性化の輪を拡げると共に、従来の人間中心の成長至上主義から自然との共生・循環に立脚した価値観への転換を共有しようとする「ローカルサミット」を毎年全国各地で開催しています。
ローカルサミットの概要
第1回ローカルサミットは、2008年7月11~13日、帯広で域内外から200名を超える志民が集い、開催されました。(主催は、帯広商工会議所青年部、場所文化フォーラム、NPO法人元気ネット、同法人ものづくり生命文明機構)
初めての開催ということもあり、十勝の場所の魅力、自然の豊かさを実感しつつ、志民が語り合い、交流し、連帯の輪を広げることを主眼にしつつ、「人類・命・地球が直面する危機は、グローバル資本主義に起因するところがあり、国民国家間の調整・協議のみでは解決できない」ことを皆で確認しました。
そして、これまでの延長線上ではなく、忘れかけている地域の仕組み等に解決の糸口をみつけ、場所文化を甦らせ、いのちの原点に立ち戻る、ものづくり生命文明の構築をめざし、そのために、6つの分野(食・農、環境、まちづくり、経済、金融、教育)に関する志民の実践の指針を提示する形で、ローカルサミット宣言を取り纏め、発表しました。
第2回ローカルサミットは、2009年11月21~23日、松山と宇和島において、域内外から200名程の志民が集い、開催されました。(主催は、愛媛銀行、NPO法人ループ88四国、同法人ものづくり生命文明機構、同健康医療開発機構、同日中産学官交流機構、場所文化フォーラム)
前年のローカルサミット直後に、100年に一度の金融危機が発生し、お金が主人公となり、経済効率性と利潤を追求する市場原理主義、グローバリズムが行き詰まり、人間の物的欲望充足を追求してきた物質文明が終わりを告げようとしていることを肌で感じつつ、新たな時代、新たな文明をどう切り開くか、価値観の転換をどう進めていくか、松山と宇和島の原風景に触れながら、車座になって議論しました。
我々が希求するいのちを繋ぐものづくり生命文明のデザインは、「確かな未来は懐かしい過去にある」という確信に裏打ちされた「逆ビジョン」によって、ローカルから、いのちを紡ぎ、繋ぎ、伝える志民の手仕事によって構築されています。
そして持続可能な地域社会のトータルデザインのために、いのちを巡る8つの分野(食・農、環境・森里海連関、まちづくり、産業・経済、地域金融、教育、健康医療、アジア連携)について、具体的指針を取り纏め、これらの各指針を相互に連関させることで、持続可能な地域社会のトータルな基本設計となり、志民自らが各地域で役割分担をしつつ、連携していくことで、確かな未来を切り拓くことができると、第2回ローカルサミット宣言を発表しました。
第3回ローカルサミットは、本年10月21~23日、小田原において、域内外から300名を超える志民が集い、開催されました。(主催は、第3回ローカルサミットin小田原・箱根実行委員会)
そこに集った志民は、従来のお金で全てを計ろうとするものさしに変え、もう一つの「いのちのものさし」を携えて、「確かな未来は懐かしい過去にある」との認識のもと、多様性溢れる豊かな海と森、水に恵まれた自然に抱かれた日本の原風景とも言える小田原から、各地でいのち輝く「懐かしい未来」を早期に再構築していくことを確認しました。
そして、いのち甦る小田原モデルを発表し、同時に森里海連環基本法(憲章)策定とアジアへの発信等の緊急提言も行いました。
さらに、これまでの3回に亘るローカルサミットの意義を再確認するとともにその運営方法等を整理することで(ローカルサミットデザイン)、この志民連帯の運動体が全国各地で開催され、地域から新しい文明を切り拓くうねりを創っていくことを確認し、来年の第4回ローカルサミットは、富山・南砺で開催されることを発表しました。
第4回ローカルサミットは、東日本大震災から半年後の9月23〜25日、富山県南砺市において開催されました。
2011年3月11日の東日本大震災は、地震と津波によって甚大なる犠牲者のいのちを奪うとともに、原発事故によって、この国(土)に生き残った私たちへ、大きな問いをつきつけました。
その問いを踏まえ、南砺では、従来からの成長・効率のグローバリズムの延長線上に確かな未来は無く、ローカルからの、人と人、人と自然、生者と死者、更には人と技術、との確かな関係を取り戻す「いのちの紡ぎ直し」による「地域の自立と連携」をテーマに議論がなされ、原発に象徴される大都市中心の巨大システムに対してローカルからの日本再生プランがメッセージとして発せられました。それは「目に見える関係性」を外に開きながら共有していくコミュニティーの再構築といのち巡る「小さな循環」の形成と連携という方向性を明らかにしたものです。
と同時に人智の及ばぬ形で永遠にいのちの価値を捨て去ろうとする原発問題へのきちんとした覚悟を持って対峙する必要性も共有しました。
こうした志民レベルでの連帯の輪の広がりと活動の連携が重層的かつ日常的に展開されることで、ローカルから自然との共生・循環に立脚した価値観に基づく暮らし、持続可能な社会デザインが実現し、それをアジア等に発信していくことによって日本からの新たな文明観の構築が具体化していくことを切に念じています。
ローカルサミット事務総長
場所文化フォーラム代表幹事 吉澤保幸